絵を描くという行為はとても頭の体操になります。

絵を描く時、頭の中では3次元のイメージが投影され、それを元に2次元上に出力します。これって日常では当たり前すぎて考えているのを拒否していて、いざ投影しようと思うと全くできないことに気づきます。

これをやろうとするためには自然と頭の体操が必要になってきます。3次元の奥行、光の陰影、筋肉の伸縮、物体の硬さ柔かさ、全て表現するためには考えて描かねばなりません。そして考えてもわからない時、それは自分の中で知っているけど、理解していないパターンに陥ります。

体操のやり方は知っているけど、いざやってみると体が思うように動かないと言った状態ですね。このために絵を描く際には様々なウォーミングアップが必要になります。現実での奥行を調べてみたり、影がつく時に何が基準でつくのか、筋肉を動かすとどういう風に伸び縮みするのか。全てひとつひとつ考えて理解しなくてはなりません。

絵が描けないという人はこの考えるという単純な行為を拒否している場合が多いです。描くということに意識がいきすぎて、もっと原始的な部分で引っ掛っかっているのです。私も含めて。 

こういうところは技術では補えません。とにかく考えて頭の中にインプットするしかありません。直接インプットするのは難しいかもしれないので、実際に描きながらこうするとこーなるんだろうなーと言う具合にするとスムーズに頭の中に入るかもしれません。 

まぁ何はともあれ、絵を描くということは頭の体操をすごくがんばってやっていることです。絵を描く人がボケにくいというのは多分こういった原因があるのでしょう。

絵が描けない人も一度絵を描いてみることをオススメします。見えている世界が変わって見えてきます。