ここ数年間毎年参加しているCEDECに今年も個人で参加してきました。
 
CEDEC 2015公式サイト

個人的に今年はゲームエンジンとVRを中心にして色々と見てきました。
参加した観点からそれぞれについて軽くまとめておこうと思います。

■ゲームエンジンについて

今年は特に新規エンジンから有名どころまで沢山のエンジンを見ることができました。

国産だとカプコンの"Panta Rhei"、スクエニの"Luminous Studio"に海外ではCrytekの"CryEngine"、Autodeskの"Stingray"やUBIの"Snowdrop"などなど…

大中小と含めるともっとあります。今や一般的に使われるようになった、Unityだけではなく、UE4やcocos2d-xといったものもかなり商用ゲームで使われるようになってきました。それぞれのエンジンを見ていて思ったのは、どのエンジンも明らかに『いかにコードを書く量を減らすか』、というところに注力しているようにみえます。

どのエンジンでも当たり前のようにロジックをノードベース ビジュアルスクリプトで制御できるようになってきています。これは完全にパラダイムの変化で、コードを書くという事自体が合理的ではなくなってきて、プログラマーは最低限のモジュールやコンポーネントを用意していき、あとはゲームデザイナーやレベルデザイナーにゲーム自体を作ってもらうという事です。

私は少し前からいずれこうなっていくだろうとは思っていましたが、その変化は予想以上に早い

これからの業界に入る際にノードベースでモノを作るというのは当たり前になり、学生の時点からそれを求められるようになっていきます。日本のゲーム業界ではプランナーという職種がいますが、このプランナーと呼ばれる人達は海外ではほとんどいません。なぜならプランナーのままではゲームの仕様を考えるだけで、ゲームを作れないからです。

海外のゲームデザイナーはテキストスクリプトやノードスクリプトを使って、自分のアイディアを直接ゲーム化していきます。プログラマー以外も率先してゲームエンジンを勉強する必要があります。

これが日本のゲーム業界にはまだまだ足りていないところです。
UBIのSnowdropエンジンの中の人より。まさしくその通りだと思います。

■VRについて

個人的に注目しているもうひとつの分野です。

今やVRという名前も一般的になるほどに様々なところで名前を聞くようになりましたが、CEDECでは更にそれを示すようにセッションが沢山ありました。

Oculus VR JapanとSCE Japan Asiaも新型プロトのCrescent Bayと新型Project Morpheusの体験会を実施していました。それぞれを体験してみた感想です。

Oculus Crescent Bay。 実は初体験でしたが、とにかくDK2と比べると軽い。そして3D音響が標準に。リフレッシュレートが90Hzに上がったので、更に滑らかに動くようになったのがわかります。UE4で制作されている EVE: Valkyrie をプレイしました。

企業が本気で作っているSFシューティングだけあって、映像のクオリティは凄い。本当にCBのおかげで宇宙空間にいるという現実感が更に増しており、3D音響もあってプレイしている最中はずっとその世界に没入していました。酔うという感覚も全くない。

続いてSCEの新型Project Morpheus。こっちは120Hzのリフレッシュレートで、リプロジェクションによる120fpsを実現しています。今回プレイ出来たのは、 E3 2015版 サマーレッスン

120fpsは想像以上に遅延が全くありません。それだけでも新鮮でしたが、サマーレッスンで衝撃的だったのは"向こうからやってくる"現実感が今までやってきたVRコンテンツとは全く違うモノでした。自分から触りにいくのではなく、向こうから触りにくるのです。この違いは本当に大きいモノでした。 その時に、自分はつい身体を仰け反ってしまう。ほぼ完全に世界がそこにある感覚でした。

しかしまだ自分の身体は動かせず、インタラクションは起こせないので、違和感は残ります。これもモーションコントローラーによる実装がこれから増えてくるはずなので、まだまだ進化の余地はあるはずです。

Oculus Rift製品版、 Project Morpheus製品版、どちらも期待できる出来と確信しました。

CEDECのVRセッションは国内外のスピーカー両方のものを聞いてきましたが、ほぼVRのコンテンツ最適化や求められているものは同一であると感じました。

FPSは絶対死守。 カメラは絶対に動かさない。視線誘導を積極的に入れる。3D音響は絶対にこだわる。キャラの視線の動き、プレイヤーの動きに合わせたアニメーション、世界に合わせたスケーリングなどなど…

世界レベルでの積極的な情報共有により、共通認識が出来上がってきていると思います。今後それは加速し、今まで以上にVRコンテンツ開発者は勉強していく必要があるなと感じさせられる内容でした。 

■まとめ 

ゲームエンジンもVRも今一番大きい分野であり、それぞれはお互いに必須とされているようになってきました。VRコンテンツを作るためにゲームエンジンを。ゲームエンジンは更に新たな可能性を求めてVR開発へ。 とても面白い時代となってきました。

来年再来年は更に面白い時代になっていくということを確信できる素晴らしいCEDECだったと思います。